テクニック編第5章④ 勝負の神は細部に宿る
前回ササクレでのスピンが「ササクレブーメラン」という形で、
走りにとっても、DFを振り切る点でもいかに実用的であるか
解説しました。
最後に、このテクニックの最も重要な意義について補足説明をします。
ボールは危険区域に侵入する
ここまでロジック編・テクニック編を読んで頂いてきた方の中には、
あれっ、ボールが「DFが思い切り足を伸ばしても届かないギリギリの距離」内に入ってないか?
と感じたかもしれません。
そうなんです。
これまでボールも体も「DFが思い切り足を伸ばしても届かないギリギリの距離」に入らないようにコントロールしてきましたが...
いざ縦一閃!
となったら、ボールだけは「DFが思い切り足を伸ばしても届かないギリギリの距離」に侵入することも可能です。
なぜならボールはDFよりもずっと速く動けるから。
自分の体はDFの速度とそこまで変わらないので、しっかりDFの届く範囲円の外を行きます。
侵入するとはいっても、あまりにDFに近い場所だとインターセプトされちゃうので、DFが届く範囲円の外側に近い部分に限ります。
ボールは「DFが思い切り足を伸ばしても届かないギリギリの距離」の少し中を
体は「DFが思い切り足を伸ばしても届かないギリギリの距離」の外を行く
というイメージです。
どれくらいまで中を通っても大丈夫なのか?という問いについては、
タイミングやボールの動く速さによっても変わるので一概には言えませんが、
99%抜くドリブルであろうとするなら、
最も反応の早いDFを想定し、行く瞬間が相手にバレていても触られない場所
をイメージすることが大切です。
大切なのはDFの足がそこに到達するまでの「時間」。
踏切の遮断機を想像すると良いかもしれません。
初めボールはDFの範囲円内に入って良くても、体が通過する頃には閉まっているから外側へ避ける、というイメージです。
「抜けた」先にあるもの
こんな風にDFの近くを「えぐる」ようにドリブルして体は安全な場所を行くときに活きてくるのがササクレブーメランです。
もしDFの届く範囲内をえぐったボールがまっすぐ転がったとしたら...
ブーメランで戻ってきた場合と比べると下の図のようになります。
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